おこしやす つらら庵♪
(※この記事中にはAmazonアソシエイトリンクを含みます)
どうよこの形?めちゃくちゃ不思議な筆。
ちなみにこのキャッツタンという形の筆、初めて使いました。
名前の由来は猫の舌に似てるからなんやて。
うーん‥まぁ言われてみれば。
こんなん言うて良いかわからんけど、僕の住む田舎はかなりカメムシが出まして。
‥カメムシの形に似てるんよね。。
あ、このキャップめちゃくちゃ外しにくかったので穂先を傷めないように気をつけて下さい!
今回は名村さんの大人気筆、ラフィーネOW(オーバルウォッシュ)を僕なりにレビューしてみます!
名村大成堂 ラフィーネ OW 10号水彩筆のAmazonリンク⬇︎⬇︎
※この記事では10号筆を使用しています
まず持ってみて気付いたのが‥
小さくて持ちやすい!そしてなんかサラサラする!
全長を測ってみる。
約20.5cmでした。
どうなんやろ。実はあまり画材に詳しくないのですが、少し軸短くない?
ホルベインさんのニューリセーブル(丸筆やけどこちらも10号)と比較してみる。
やっぱり短い!
一度僕が自身のYouTubeチャンネルでご紹介したホルベインニューリセーブル20号は、軸が大きく、太すぎて持ち辛いかも‥と言う声を結構頂いていました。
この軸の短さ細さは特に小さめの作品を主に描く人にはありがたいですね。
この膨らみ加減も絶妙に指先にフィットします。
でね、僕があまりこれまでの画材で経験した事ない軸の質感!サラッサラ!これって、もしかしてよくある軸塗装のひび割れにも強いんちゃう?
ホルベインさんの悪口を言うわけではないんやけど、艶ありタイプの軸はほんまにバッキバキなるのよ、、、。
しっかり拭いてるよ?筆洗に浸けっぱでもないし。僕だけ?
1本3役の秘密は穂の形!
そして、なんと言ってもこの穂先の形です。
どういった利点があるのか?
いやぁ、さすが老舗筆メーカーの名村さん。
この筆は人工のナイロン毛を使用しているのですが、穂先の尖り具合がとてもキレイ!
本物の動物毛のように毛の一本一本の先端は細くなっています。
なので、100均筆によくあるようなチクチク、バサバサな感じはしない。
平筆タイプの形をしているので‥
クルッと捻るともちろん丸筆のように使うこともできるのやでぇ。
実は普通の平筆でもこのテクニックは活かせるんやけど、このキャッツタンは先がなだらかに尖っているので、この角度で使うとほんまに丸筆で塗ってる感がある!
というか、この角度から見たら丸筆にしか見えんくない⁉︎
この形やからこそ、塗る、描く、引くの3役が出来るんです!
次は実際に使ってみるで〜。
塗る 描く 引くの使い分け
絵の制作プロセスを考えてみよう。
大体は鉛筆デッサンをした後、平筆や大きめの丸筆で全体のバックを塗り、小さな丸筆に持ち替えて個々のモチーフを描き込む。
最後に面相筆やリガー筆(毛足の長い線引き用の筆)で細密描写をする。
‥みたいな感じやと思うんやけど、このラフィーネはなんと1本で全工程を済ませられるんです!
まず塗ってみるで!
水をまず筆に含ませます。
あ、ちなみにどの筆でも使い始め、必ず穂先に水を含ませてから絵の具を含ませるの順は守ってください!
そうしないと乾いた穂先が急激に口金の部分まで絵の具を吸ってしまうので筆が傷みやすくなります。
どう?水を含むことでより穂の先端が尖りました。美しい!
いやぁ、筆あたりは滑らかです。
そしてナイロン毛なのに水含みがいい!
名村さんの商品ページには穂先の硬さは(柔らかい)になってたのですが‥。
どうなんやろ。ナイロン製の筆をあまり使わない僕からすると十分コシがあってしっかり紙面に塗ってるって感じが手に伝わるけどなぁ。
こればかりはふにゃふにゃの筆ばかり愛用している僕のレビューではあてにならんかも。
でもしっかりと塗りたいところを狙って塗れます♪
では次!クルッと捻って丸筆っぽく。
なるほどなるほど。
丸筆スタイルのこの角度で使った方が紙面に当たる毛量が多くなるのでコシはさらに強く感じるな。
ほんでこのキレのあるタッチ!素晴らしすぎる!
水墨やないけど、笹型のタッチも簡単に描けます。
伸びやかな線のようなタッチもOK。
ただ、このタッチのキレの良さが故のデメリットのようなところも発見しました。これについてはいちごの作例プロセスでも後述します!
ではでは最後は面相筆っぽく!
塗る、描くの使い分けはそのまま筆の当たる面を変えれば誰でも出来るのですが、面相筆のように使うには少しコツが要ります。
画像のように筆の穂に近いところを軽く持ち、小指を紙面に軽く触れ、穂先も紙面に触れるか触れないかギリギリのところまで持っていってスライドさせるように肘から動かします。
軸全体を直角に近くするのもポイント♪
おお、
おおお、
どやさー!
ほんまに糸のように細い線が引けます!
これにはびっくりしました。かなりまとまりがいい!
穂先の紙面に接する面積を変えてやるとカリグラフィーのように抑揚のある線も引けます。
さ、この3役をフル使用してちょっとしたもん描いてみるで〜。
まず塗って顔!
へてから先の尖りを生かして耳描く!
しまいに立てて穂先でヒゲを引く!
てな具合で猫ちゃんです♪
この筆の魅力、ちょっとは伝わったかな?
デメリット?もあるのだ‥
いきなり本筋から逸れた話題なのだが、当ブログでは案件(メーカーさんからまねーを頂戴しておべっか記事を書いて宣伝をする事)はこの先もしません!
これは僕のYouTubeチャンネルでも貫いてることなんやけど、言いたい事言い辛くなるのは嫌やし何より皆さんに信頼して欲しいからなのや♪
なので、これからもありのまま、正直にレビューしていくのでそこは安心して欲しいのやで。
閑話休題。
この筆のデメリット、それは、、、
コシのあるナイロン製毛からくるタッチの単純さやなぁ。
画像のように、穂に含まれる水分が少なくなるとパカッとキレイに画一的に割れて、非常に無機的なドライブラシ(かすれの筆触)になります。
それに穂先が鋭利すぎて、これもタッチをつけて柔らかく塗るのには適さない気がします。
どうですか?ぽんぽんと叩くように塗ってみたんやけど。
なーんかこのタッチが僕あまり好きやなくて。
なので普段はふにゃふにゃで穂先の丸いリス毛や馬毛を愛用しています。
でもでも!
デメリットというのはある一定の観点からすると良くないと言うだけでね。
普段からペタペタとタッチを付けて塗らずに、細かく丁寧に少しづつ塗っていくスタイルの人にはバッチリの筆やと思います。
どちらかと言うと下書きをラフに描いて絵の具でタッチを付ける作風の人よりも、しっかりとした下書きにはみ出さずに丁寧に塗りたい方向けの筆だと感じました。
イラストとかにはバッチリですよね!
この筆1本でいちごを描いてみる
最後に作例も描いてみます。
このいちごのフリー画像を参考に透明水彩で描いてみるよ。
なんでこれにしたかと言うと、いちごの実を広い面で塗り、背景も広い面で塗る。
丸筆のようにしてヘタの部分を塗り分け、花の細かな花弁やいちごの粒を面相筆のように塗って違いを見せれるかなぁと思って。
もちろん使う筆はラフィーネ10号1本!
いってみよう!
あ、画像のいちごの並びが単調なので右上の1個を省き、その隣のいちごを花の下に持ってきて花の白を際立たせる構図に組み直しました。
絵はアートや。気に入らなかったら自分流に変えてもいいんやよ♪
まずいちごの黄色い部分から。
赤は黄の後でも塗れます。
弱い色(一次色)から強い色(二次色)へが基本です。
ここで早くもクルッとして、この後塗る予定のヘタを塗り残します。
まぁ〜なんと避けて塗りやすい事!
綺麗にエッジが出せます♪
ヘタの緑は実の赤の反対色なので、隣り合ってたら引き立つんやけど、混ざり合うと暗くなるので気をつけて!
しかししっかり塗りやすいなぁ。
白い花の細かな花弁の隙間も尖った穂先がスイスイ入っていきます!
そしてこの面相筆な。
ほっそーいヘタもなんのその。
ほんでね、水含みがいいので何度もパレットと紙面を往復する必要がなく、このサイズくらいの絵やとめちゃくちゃ効率的に作業が進みます。
でもデメリットも言うよ 笑
あくまで僕的にデメリットって事やけど。
この画像はバックでいちごを塗り分ける作業なんやけど、この広い面を塗った時のタッチの形がどうも好きやない‥。
なんて言うかな?塗りっぱなしの美学ってあるやん?ザッと筆を走らせた後の美しさみたいな。
それがリス毛のような柔らかな筆とは違って不得意です。
だから、バックの形もなかなか気に入らなくて何度も筆で触ってしまいました。
途中何度か驚いたんやけど、ほんまに一度も筆を持ち替えることなくてこれだけでほぼ全てのパターンが塗れるんよね!
逆にできない事ってあるんかな?
さっき言ったみたいに自然なかすれと、ファン筆のような特殊な筆でのタッチくらいかな?
便利すぎる。
いちごの種や白い花の陰を穂先で描いて完成!
使用画材:【ラフィーネOW10号/ホルベイン透明水彩絵具/ダイソーエンボスペーパー(制作時間約35分)】
この筆のまとめ!
いかがでしたか?
使ってて思ったんやけど、これ水彩画を初めて描こうと思い立って、「でもどの筆を買えばいいんやろ?」と悩んでる人が居たらおすすめしたい!
もちろんラフィーネOWはちょいと特殊なタイプの筆なので、基本の丸筆10号くらいは持ってて欲しいかもやけど、極端に言えばこれ1本あればあらゆる表現・技法が可能です!
予算が少ない方も、この筆1本なら2500円なので絵の具やその他画材と合わせて買ってたとしても10000円以内に収まるんやない?
初心者さんにも優しい筆ですね♪
僕個人のスタイルに照らし合わせてレビューさせてもらうと、ちょーっと遊びのなさが物足りなく感じたかなぁ、、、。
なんだろ、品行方正、優等生すぎる感じがして僕には有効的に使えそうな気がしませんでした。
やっぱり落第生はリス毛の筆の先をヤスリで削ったり火で炙ったりしたボロ筆が似合うって事かな笑
でも、絵を描く方にならどんな方にでもプレゼントしたいくらい文句なしに優秀な筆でした!
《まとめ》
・筆のサイズ感が手の小さい人でも持ちやすい!
・含みよくコシも強くてキッチリ描きたい人向け!
・極端な話これ1本あれば他の筆は不要レベルの取り回しの良さ!
・ナイロン筆独特の画一的なタッチが不自然に見える事がある!
ぜひこの記事を見て興味が湧いた方は買ってみてください♪
⬇︎記事内で使用したラフィーネ OW 10号水彩筆のAmazonリンクです⬇︎
これからもこれは!と思う画材や技法は、YouTubeとは別にしっかりと文章でお伝えしていこうと思います♪
引き続きたまに立ち寄って読んでくださると嬉しいです!
‥言うとくけどこうした画材や技法の記事はある程度よそゆきの感じでやってるからね。
普段の僕を知ってる人はわかるやろけど、雑記はもっともっとぐだぐだやしくだらないと思うのでその辺はよろしくです。笑
⬇︎この筆をレビューしたYouTube動画⬇︎
https://youtu.be/SKRuI1qPzCk?si=1Zi5yHABBCvQZB8W
また、おこしやす つらら庵♪
◯今日のちぃぴ◯
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